西井の詔 2019
其の百七 9月14日
「残暑きびしい中、全国のドスケベの皆さん、いかがチンコ立てていらっしゃいますでしょうか、HIPアナウンサーあなたのスケベ心の友、西井です。ここ東京コンドームからジャイアンコ対タイマンスの一戦をお伝えします。解説はいつもボッ起させていらっしゃいます江呂本さんです。どうぞ、ヨロシクお願いします。」
「はい。、どーぞヨロシク」
「球場は超満員、この一戦の重要さ、注目度の高さがうかがえますね。」
「でも今日、台風来てるンですよォ。野球観に来てる場合ですかね。選手ふくめてサッサと家に帰りゃいいんじゃないですかね。」
「・・・ジャイアンコ先発ピッチャーは袴田、今シーズンすでに20勝を上げています。ポイントも大分ためてマスよォ」
「電車、動いてンすかね」
「今年は特に腰のキレがすばらしいです」
「帰り、タクシーつかまりますかね。私、何故かタクシーにキラワレがちなんですよねェ」
「ええー1番バッターは注目の原田ですが、江呂本さんはどうごらんになってますか」
「一番バッターのくせにあんなデカいクルマ、、、あ、いやバット振り回してどーすんですかね。自慢げにしやがって私大キライです」
「袴田、第一球投げた!ボール!」
「この局、タクシー捲れるんですかね」
「原田よく見送りましたね、江呂本さん!」
「私ビール売りのオネーチャンみてました」
「・・・第二球ストライク、原田から振り!」
「雨でノーゲームってなりませんかね」
「・・・ここドーム球場ですよ江呂本さん」
「下のヤキソバけっこイケますけどね」
「第三球、投げた!原田打ったァ!サード横っとび!一塁アウト!」
「いい気味ですよ」
「あっ!ナマハゲ監督ベンチから飛び出した!審判に今のはセーフだと激しくつめよってます!」
「よけいな事してくれますねェ、時間喰って帰るの遅くなっちゃうじゃないですかァ」
「講義が続きます」
「私、家で妻が股広げて待ってるんですよねェ」
「アッ!退場です!ナマハゲ監督、退場を宣告されました!」
「もうみんなで退場しましょうよ。私タクシー使ってもこっから一時間半かかっちゃうんですよォ」
「ああっ!!今、私の上司がらここへ真っ赤な顔をして怒鳴り込んで来ました!私の胸グラをモノ凄い形相でツカみ上げております!私は更迭、今夜が最後の放送になるそうです!
ここ東京コンドームからあなたのスケベ心の友、西井がお送りしました!みなさんサヨウナラ!!」
「ありがとうございましたァ」
其の百十五 2月26日
ただいま生涯2度目の入院をした病院のベッドの上で、腕に点滴を打ちながらこれを書いている。
ある日、突然血ゲロをガバガバと吐き続け、血便をたれ流し、身体全部がきしむ様に痛み、動けなくなってしまい救急車に来てもらい運んでもらった。
検査をした医者が言うには俺の身体はあちらこちら、もうありとあらゆるところがボロボロなのだそうだ。 言われてみれば身に覚えがある。心当たりがある。俺自身の身体の事だからその説明は理解できたし納得もできるものだった。
あとどのくらい生きていられるのかは分かりようもないが その間、歌っていようと思うのなら健康でいるしかない。
ふうぅん。
其の百rock 3月7日
ずっと晴れの日が続いていて、退院するその日も朝から晴れだった。
病院から出ているシャトル・バスに乗りJR西荻駅へ向かった。 やっぱシャバで転がってんのがなにより1番だ。
駅前のコーヒー屋で久しぶりのコーヒー1杯とタバコ1本とをゆっくり楽しんだ。
阿佐ヶ谷に着き、金箔荘まで帰って来ると向かいのお宅の玄関先で梅の木が花を咲かせていた。
いつの間にやら春が来ていたのだ。この冬も何ンとか生きて越えることが出来たのだ。
良くやってンじゃなかろうか、俺のクセしやがって。
今回また入院という事になってしまったが、とにかくこの2本の足で立ち上がり、歩いて、自分のネグラへ帰って来たのだ。 少し練習すればまた、走ることも出来るだろう。
春はもう そこまで来ている。
皐月賞当日も もうそこまで来ている。
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