西井の詔 2017
其の百十 2月17日
シャバへ舞いもどり、ひとり鼻水を流す。
とめどなく流れゆく鼻水。
俺の鼻腔はまるで、やがては神田川へ合流する善福寺のわき水のごとくである。
つらつらと、ゆっくりとわき、流れて行く。
しかし、俺の鼻水をそのまま東京湾へタレ流す訳にもいかず。
買い置きのティッシュペーパーはものすごい速さで消費され俺の鼻はティッシュの摩擦でもげてしまいそうだ。
花粉症。
乾いてるもンなぁ、2、3度雪がチラついただけでカラッカラだもん。
風は強いし、ガンガン吹いて来るし。
しかしピークはまだこれからだと言うのにとっとと花粉症になってしまったのは、1ヶ月間も慣れない清潔きわまりない病院にいたせいか。
やはり人間少々の毒は身体に持ってないと。たたけばホコリが出るくらいではダメで、歩いただけでホコリがなだれ落ちて来るようでないと強固な大人の男とは言えないのかも知らない。
俺も一度や二度マンホールへ落ちたくらいでタフぶっていてはいけなかった。
男はホコリ高くあっても鼻水タレ流していてはダメだ。
其の百九 1月27日
退院したのだった。
俺の思惑なぞ知ってくれた事なんてない世の中は、年末年始、連休などをとどこおりなく迎え、それらをはさんだせいもあるのか長く感じた1ヶ月チョイの入院だった。
シャバに出ちまえばアッと言う間だが。
お天道様の下の自由はやはり何にもかえがたく素晴らしい。Oh！freedom.
しかも俺は健康だ。
街をかっ歩し、レストランへ入り、1Kgのステーキをボトル2本のワインで流し込み、２つのバニラ・アイスクリーム、3つのチョコレートケーキ、5杯のホットコーヒーを平らげ、吉祥寺から阿佐ヶ谷まで若い女性をガン見しながら、100m30秒のペースでのランニングで金箔荘まで帰宅した。
心配とご迷惑をかけた方々には深いお礼とおわびを申し上げる。
本当にありがとね。
今、いくつか新曲を書いている所である。
其の百八 1月12日
みな様。この年末年始いかがお過ごしになりましたでしょうか。なんといっても正月らしい晴天続き、そして暖かかった。よござんしたね。初もうでなんかもそらもう楽しゅうございましたでしょう、うんうん。酒も遊びも上きげんだったことでございましょう、うんうん。
俺はといえばですね、同じ日本でみな様と同じく正月を迎えているとはとても納得しがたい。しかし、流石。としかもう言いようのない俺ならではの絶妙な成りゆき。
ええーっと、入院してました。、、、乳輪ではない。入院である。感化院ではない。病院である。
だああああもうもうもう、この正月前後、病院にずっと入院していたのである。
ふんっ。何ンだよもうッたく。
年末年始、少々思うところあって、やりたい事、やっておきたい事。会いたい人、会わなきゃならない人。話がしたい人。話さなきゃならない事が山ほどある人。
相当、いきごんでテンションとボルテージは登りっぱなしでこの時期を迎え、サァ行け、GO！したが、思いだけ先走ってしまっていたのか、まさかの大クラッシュである。Dr.ストップ。こうそくされ緊急入院である。
スッタモンダあったあげくボロボロの身体を病院のベッドへ投げ出し、点滴をうけながら、ひとり思いをつのらせる。
「オッチョコチョイは俺の花道である。」
ひとり、思いをつのらせる。
「オマヌケこそが俺の魂（ソウル）である。」
ルゥルルルルゥ、、、、、
長い入院にはならなかったが、まだ病院で、人影もまばらになった大食堂でこの稿を書いている。
若い看護師が、ひとりノートを広げている俺を見つけ「あーっ、それブログにのせてる文章の次のヤツ書いてんでしょ。のったらまた観とくね、楽しみだなコリャ」
そう言って笑いかけてくれる。彼は俺がバンドやってると知ってYouーチューブだかなんだかでHip-de-Dipを捜し出し、「観たヨォ、すごいヨカッた。早く退院しなよ、俺 LIVE 観に行くから。」とホメてくれたりもしたのだった。
早くシャバへ帰りたい。もうすぐ出ます。といっても蕎麦屋の出前ではない。退院である。
無理に無理をかせねて来たこのオツムとカラダ。
駆け出す前に修理に出しておいたのだ、という事にしておく。
其の百七 元旦
ガショォォーーン！！！
何ぃっ！！ １年の野郎、明けやがったってぇ。、、、、いつだ。いつ明けたっ、、、、て、たずねていらっしゃるんだよ、この俺様が。
このブヨブヨ耳って言うんじゃなかったっけ。役に立ってねぇんなら今すぐツブすぞマヌケ野郎っ。
、、、ええ、つい先頃だってェ。よしゃぁいいものを。フンっまったくもうなンだァ、明けるねェ。よくもまぁあきもせず、懲りもせず。
何ンだヤツぁ世によく言うアニメか、あ、いやマニアか。
１年に１回くらいは明けてんじゃねえのかあ。まぁ俺の感じだけど。、、、おおぃヘタすりゃ２回明けてねェかぁ。いいのお。
あ、ま俺の印象だけどな、アクマでも。
何ンだろうねぇ、、、やっぱり淋しいのかね、暮れただけじゃ。
、、、他なんかあるかぁ。見ろっこの明けっぷり。
おい、何かあるなら言え。てめえの御意見聞いてみようじゃねえか。