西井の詔 2011


其の五拾四〜十二月十二日〜

  

来年1月9日 Picoダンスは1日だけの再結成をする。

蛮奴ミサイルの高橋ケンヂの提案でヨッパライの祭典 ”St.バッカスディ“ & Picoダンスの復活とあいなった。 Picoダンスとは、はるか彼方の昔、高校生の時、クラスメートの加賀君にそそのかされ結成したバンドでメンバーチェンジをくり返し、20代半ばまで俺はこの名前を背負っていた。

初代リーダーだったが東京暮らしはもうマッピラ、と岡山へ帰って行った加賀君。 ディープ&バイツ、忌野清志郎&2.3s だったギターパンダ山川ノリオ。 今年やむをえない家族の事情でやはり岡山へ帰った三宅"土人"ノブヤ。 グレート・リッチーズで活躍した谷口君。 第一次Picoダンス崩壊時に最後まで付き合ってくれたDrの熊ちゃん。 1年以上まったく何もせずウダウダしていた俺といっしょに演ろうと言ってくれたのは、ほとんど見ず知らずのG矢崎だった。 そして今回の言い出しっぺのケンヂがBで加わる。彼は本来はギターVoだったのだ。 そして朋友オグラのバンド、青ジャージで、その前には人気バンド、キャバレッツで早くからその才能が人々の口に登っていた中安テツが加入して第2次Picoダンスとなる。 若く、どいつもこいつも俺をふくめメンドクセーやつらだった。今もそうかも知れないが。

今回G矢崎ヨシトシ、B高橋ケンヂ、Dr中安テツ朗、Vo西井タダヒロの、Picoダンスが最もPicoダンスだったこの4人でお届けする。
もちろんこの日Hip-de-Dipも元気一杯、ベロベロにヨッパラッて出演する。

俺は大丈夫だろうか。

其の五拾参〜一月二十六日〜

  

俺の鼻の奥の奥、木枯らしが吹き荒れている。
ついこの前、正月を迎えたばかりだというのにすでに来ている、と俺自身の肉体が俺に知らせている。
花粉じゃん。
こ、これ花粉だろうが、ええっ。入って来てるよ。
もうこんなに入って来てるよぉ。まだそんな時期じゃねぇだろうがよぉ。
準備なんてなぁんも出来てないよ、そりゃそうだろう。こんなに早く花粉入り空気ホコリのオマケ付きをバカバカ吸い込みやがって。だいたいコレがなくてもお前がしょっちゅう吹かしてるタバコのニコチン・タールの処理で俺達がどれだけガンバッてると思ってんの。ああ、もうもうっ。ともかく目とのどを脹らませろ。それで少しでも花粉の侵入を防ぐんだ。目に涙、それも有効かも知れん。
痰をつくれぇ。いつもの量じゃまったく追いつかんぞ。つくれ、つくれ、つくれぇ。花粉を包み込むんだぁ。
鼻水を大量放出するぞおお。少々脳ミソが融け出してもこの際かまわんっ。少しでも花粉を外へ出すんだ。行くぞ。開門っ。開門っ。
かいもおおん。かああいもおおおんっ。

前回のLIVE“水族館”のある大久保駅に降り立った瞬間である。1月17日だった。目とのどに違和感を感じた。店につく頃にはもう異常にかゆくなっていた。大久保駅から“水族館”までたかだか歩いて5分たらずである。いったい何を吸い込んだのであろうか。気が付けば目をカキつづけ、のどに手をつっ込んでカキむしりたくなる気持ちを抑え込んでる。
分かっていただける方には分かっていただけるハズである。
そして翌日か、翌々日だったか、鼻水の大量放出は始まったらしい。善福寺の湧き水が神田川を造りやがて東京港へ流れ出るように鼻水はたれ続けている。 シーズンはまだこれからである。ダムは決壊してしまうのか。堤防は乗り越えられてしまうのか。ティッシュを使い続けている俺の鼻は持つのだろうか。

           

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